競技との向き合い方の変遷

私の一年はスポーツにまみれていると思う。

アイスホッケーから卓球、ラグビー陸上サッカーに野球、アメフト水泳バスケときてハンドボールテニスバレー。年中何かの国際大会がやっているものだから、毎日何かを観戦しているような気分になる。

ミーハーなりに積極的にスポーツ観戦をしている。つもり。

スポーツというものを振り返ってみると、一番付き合いが長いのは水泳だな、と。

生後数ヶ月で母親がベビースイミングとかいう奴に没頭して以来、大学に入るまでの18年間、「競技をする側」としてほとんどの時間を水泳に費やしてきた。

ちなみに私がかつて所属していたスイミングスクールは買収されて今は名前が変わっているらしい。時の流れを感じる。

スイミングスクールはだいたいどこもワッペンを集めるのはず。メッシュ地のキャップに正円のワッペンがたくさん着いてるのは壮観。一番上に行くと楕円になったり、そこを超えると選手コースとかいう競技志向のコースに入らされる。

私は両親が共働きだったので、毎日何かしらの習い事に行って時間を潰してたのだけれど、唯一意欲的に取り組んでたのが水泳だった気がする。

幸運にもロンドン五輪でメダルを獲得した選手と同じコーチに師事(と言って良いのかは微妙だけれど)した。一瞬血迷って(というか調子に乗って)日本一を目指した事はあるけれど、その一瞬以外はどんな時も泳ぐことが楽しいから、ターンした後のドルフィンの時の水をすり抜けるような感じが気持ちよくて水泳を続けてた。

そんな私もスクールに通ってたのは中学に入るまで。理由は簡単で、楽しく泳ぐという自分のポリシーと、速く泳ぐという競争の根本的な方向が合わなかったから。

楽しく泳いでたらタイムが出なくなるタイミングが来てそこで終わりにしたというただそれだけなのだけれど、毎日自転車で急いでプールに向かって、プールから上がってアイスを食べて三角帽を被って全力で自転車を漕いで家に帰ってくるあの生活は悪くなかったと思う。

スクールを辞めても、ジムだったり学校の室内プールで泳いだりして、泳ぐことはやめなかった。

結果として、競技をやめて自分のやりたいようにやっても半フリが25秒台後半から26秒前半くらいのタイムが出せた。

ので、大学に入ったらもう一度水泳に戻ろうかな、と思ったりもした。

まぁ、水泳部には入らなかったのだけれど。

大学で水泳部に入ったら、それこそ団体戦とか記録とかに囚われてきっと水泳を楽しむことはできずに「競泳」に打ち込むことになっていたのだと思う。あとスクールの同期が意外と落ちぶれてみていられなかったのもある。

 

基本的にタイムを競うことがあまり好きじゃないから、自分にはもしかしたら水泳は不向きな競技だったのかもしれない。自分のベストタイムでなくても1着だったらそれは勝ちだし、讃えられる。

けど、そこには違和感しかなかったし、不完全燃焼が続く時もあった。

自分自身コーチと二人三脚!ってタイプではなかったから、殆どコーチに相談だったりミーティングだったりをすることはなかった。

リレーのメンバーだったわけでもなかったから、今思い返すと本当に一人で水泳に取り組んでいたんだなぁとしみじみ…。

こういった経験を踏まえて、今自分自身が競技を「観る」側になった。

幸か不幸か、自分自身の大学の自転車競技部と密な関係にあるわけではない。

だから、後ろめたさなしに?どの大学も応援できるし、どの大学とも関わりを持つことができている。

どこの誰かもわからないような人間を受け入れてくれる懐の深さにはいつも頭の下がる想いがするし、そんな場所だから自分も何かプラスの効果を与えられたらなぁと思います。

レースを見ていると、曲がりなりにも競技者だった自分としては、どんな言葉や行動が選手のプラスになるかついつい考えてしまう。

競技というからには、「勝利」がゴール。じゃあ、どんな形でも勝てればいいのか?

「満足なレースができなかった」という選手に、「でも勝ったじゃないか」と声をかけるのは何か違うような気がするけれど、だからと言ってその勝利にバツをつけるのもまた違う。

観てるだけなんだから、そんなこと考えずに、勝ったらよし!負けたら次頑張ろう!でいいじゃないか〜!と思うこともある。

んだけど、本当にそれでも良いのだろうか…と悶々したりもする。

 

選手のパフォーマンスは観客に消費されるものだと思う。

観る側は気楽なもので、勝てなくなった選手は切り捨てればいい。

本当に強い選手は強いまま消えるというけれど、なんだかなぁ…、と。

 

まぁ、そんなこと考えて選手が勝てるようになるなら、何日でも頭抱えるのですがそういう訳でもないので。

考えたところで答えは出ないので、ひたむきにこの競技と向き合いたいですね。

 

頑張れという言葉は、一方向的で自分自身は辛かったので、頑張ろう!と肩を叩けるような、そういう人間になりたいですね。

そのためにはもっと競技に対する造詣を深める必要があると思うし、もっともっと現状を把握しなければいけないなと思います、以上!

 

昔のこと考えると頭痛くなってくるから、水泳嫌いになってないの不思議だなぁ。